マンガ(導入部)

今回の展示、図録が大人気です。
電子展示ページ図録PDFがUPされましたので、どうぞこちらもご覧ください。


さて本日は、今回展示されているマンガについて触れたいと思います。
コメントやアンケートでも感想をいただいていますが、
大学図書館にマンガが展示されている、ということで驚いた方も
多いのではないでしょうか。
これらは図書館の蔵書ではなく、図書館スタッフと大塚先生の私物です。
(実は展示ケースに収まりきれない分がたくさんあります)


導入部、第3部、第4部にマンガが含まれていますが、
図録の「展示資料一覧」には載っていません。
というわけで、ここに挙げたいと思います。


■導入部■ 外来文化の受容と日本文化の発信

ドラえもん」と三大奇書とは、いったいどういう関係があるのか?
・・・直接的な関係は(たぶん)ありません。
「日本文化の発信」という意味合いでここに登場しています。


(パネルより)

遣隋使・遣唐使の時代から戦後の欧米文化まで外来文化の受容一辺倒であった日本も1980年代に入ると、例えば日本製マンガが発信されるようになった。翻訳を通し紹介され、そこには新しい文化が誕生している。


ドラえもん
机器猫(機器猫)』 第21巻 人民美術出版社 1995年


『新编 机器猫小叮铛 (新編 機器猫小叮当鐺)』 5 陕西旅游出版社 1992年


『超长篇机器猫 哆啦A梦 1 大雄与小恐龙 (超長篇機器猫 [口多][口拉]A夢 1 大雄与小恐竜)』 吉林美术出版社 1999年


同じ「ドラえもん」を指すにもいろいろな表記があるようです。
「機器猫」はロボット猫、「小叮铛(小叮鐺)」と「哆啦A梦([口多][口拉]A夢)」は音訳で、
今後は「哆啦A梦([口多][口拉]A夢)」に統一されるとのこと。
のび太も「野比」だったり「大雄」だったり、
しずかちゃんも「静」「静香」「静子」と微妙に違います。
「大雄与小恐龙(大雄与小恐竜)」は昨年映画が公開された「のび太の恐竜」ですね。
おなじみの道具は「タケコプター」→「飛行器」、
「スモールライト」→「縮微灯」等となっているようです。



■アジア各地で出版された日本マンガ
『강철익 연금술사』1 학산문학사 2004年 (鋼の錬金術師 韓国版)
実は原作をよく知りません・・・。しかし、この翻訳版、非常によくできていて、
活字の使い方とか、擬態語や擬音語(ハングルで書いてある)の感じなど、
日本マンガの雰囲気がよく出ています。


『Dôrêmon(Doremon)』1 Nhà xuất bản Kim Đồng 2006年 (ドラえもん ベトナム版)
忠実にドラえもんの第1巻です。
ドラえもんセワシが未来からやってくるところから始まっていて懐かしい〜。
しかし読めません。


DRAGON BALL Z (タイ版)
こちらはさらに読めません。


■BRAVO東東
『BRAVO东东(BRAVO東東)』1〜3 胡依紅、哀峰 上海文艺出版社 2003年


東東という14歳の男の子の日常生活を描いた中国の漫画。
ちびまる子ちゃん』ほか日本マンガの影響を受けていると言われているようです。
ちなみに『ちびまる子ちゃん』は、中国では『櫻桃小丸子』。
とても人気があるようです。


続きはまた後日。
(Y. M.)



(10/6追記)
資料提供者の方からドラえもんについてコメントをいただきました。

「小叮铛(小叮鐺)」をドラえもんの音訳というのは、無理があると思います。「叮铛(叮鐺)」は、ドラの擬音で、強いて訳せば「チリリン」とか「ジャラン」でしょうか。「小」は「〜ちゃん」なので、「ジャランちゃん」は苦しいので、「ドラちゃん」かな?


「哆啦A梦([口多][口拉]A夢)」は、「ドラえもん」に近い発音で、「夢」も入ってということで決まったようです。藤子・F・不二雄さんの意向で、全世界で「ドラえもん」と発音することにしたそうで、各国語版のアニメ主題歌で、最初は違う発音なのに最後の「とっても大好き」の後の「ドラえもん」の部分では、皆同じ発音でそろうそうです。昔、なにかの番組で大山のぶ代が発音がそろったのに感動したと話していたと思います。


IEで文字化けしてしまうようなので、タイトルが化けているところは
カッコ内に変わりの文字を入れました。
Firefoxだとばっちり表示されるんですが…)