「机」という文字

アンケートで次のような質問をいただきました。


中国語版のドラえもんの表記が、展示の解説では機器猫となっているが、
コミックには器猫とある。ミス?

ドラえもんのひき出しから出てくることに関係?


そうですよね。ドラえもんは机の引き出し=タイムマシンから登場したのでした。
しかし、残念ながら、この「机」は日本語のつくえとは違います。


「机」は「機」の簡体字です。
台湾や香港を除いた中国大陸では、現在、漢字を簡略化した簡体字(簡化字)が使用されています。
簡体字に対し、元の字を繁体字と呼びます。
簡体字についてWikipediaに詳しい説明があります。


というわけでこの「机」は、機械の「機」の意味です。
したがって、「機器猫」は、機械猫、ロボット猫、というようなニュアンスになるようです。


今回の展示の図録やキャプションでは、中国の簡体字や日本の旧字体はなるべく使用せず、
私たちが日常的に使っている漢字で解説を行うこととしました。
そのため解説では「機」を使用しています。どうぞご了承ください。


さて、そうなってくると、中国語でつくえはどう書くの?というのが気になるわけで、
調べてみると「桌」(←IEでは化けてます? 繁体字では「棹」)という字を使うようです。
桌子(棹子)、学習桌(学習棹)など。

もう一つ気になるのは、1956年「漢字簡化方案」が公布される前には、
「机」という字はどんな意味で使われていたのか、ということ。
すみません、これはまだ調べていません。詳しい方、ぜひフォローをお願いします。

(Y. M.)